学会活動とオープンソースなプロジェクトへの貢献

これ:OSSに対する企業の貢献読んでて,思ったのですが・・・なんだか学会活動と研究者の関わり方に似ているような気がしました。

私は学部卒で,かつ研究職の経験もありません。センパイの発表を見に行く誘いすら断りました。ですから見聞きした限りでしか分かりませんが,似ているような妄想が頭に沸いてきます。

ある学会に論文寄稿しようとしても,いくら在野の天才が書いたものでもイキナリは受け付けてもらえませんね。所属する研究機関の実績,それまでに出した論文の質,などいろいろ影響するでしょう。それは,それまでの学会への貢献度が影響するということではないでしょうか。

突飛なことをいきなり書いてもなかなか認められません。当然だと思います。もしその論文が世の中を引っくり返すような素晴らしいものであっても,実績ゼロではまずはマユツバからスタートのような気がします。

学会にもトレンドがあって,トレンドに沿った論文は受け入れられやすいとか,何十年も同じ基礎研究をしている研究室の発表会場には,研究者人口の割に人が集まるとか,そういうこともあろうかと思います。


オープンソース
なプロジェクトにおいて,まずは貢献,という所は確かにそうだと思います。貢献しつづけている集団は当然ながら,発言権を得て意思決定などにも影響を及ぼすことができるようになるでしょう。トレンドもなんとなくあるでしょう。しかしながら,節操も無くコロコロあちこちのプロジェクトに浮気していると,それはそれで「流行っている分野を次々食い散らかす」と陰口を叩かれる研究室のように相手にされなくなってしまうでしょうな。

–ところで
私は時折思いつきでオープンソースな小さな小さなプロジェクトを見て回って,年寄りのきねづかで小さな小さな貢献をしています。そうすると,ショ〜モナイ要望でも好意的に受け取ってもらえたりします。年寄りのささやかな楽しみとして今後も続けようと思います。しかし年寄りが趣味でやってることですから,若い人のようにバリバリ貢献できません。プロジェクトの行く末とかにもあまり熱意をもてませんし。歳をとるのはイヤなもんですなぁ。
–ところで終り

根本的に異なるのは,目的ですか。学会は知的探求と人類への貢献がタテマエ上の目的ですが,オープンソースの場合,無償有償に関わらず具体的な製品の完成/改良が目的ですな。学会でも工学系では産業界からの干渉で,実益重視な分野もあるでしょう。

カリスマ開発者なんていうのも学会にはなかなかないでしょうな。

・工学での再現可能な実験に基づく論文→広く追試を受ける→理論や手法が強化/確立される
・再現可能なバグ報告→みんなで検証→製品にフィードバックされる

というような対比も面白いですなぁ。深い意味は私なぞにはわからんのですが。もし似ているとすると,運営上のノウハウとか,産学連携とかのヒントにならんかなぁと妄想したのですが,やっぱり単なる妄想ですなぁ。こんなことはとっくのとうに,当事者の方々は承知の上でやっておられるような気もしてきました(汗