たまに見かける風景(窓口詐欺)

金融機関の窓口で,老紳士が怒っているのをみたことありませんか?

大抵は単なるカルシウム不足ジジィですが,まれに深い裏があるようです。私が見かけた風景を書きます。

窓口で払い込みをするのに,何かの用紙とお札を何枚かお皿に載せて渡していました。

窓口員が紙幣を数えます。

「・・・5,6,7枚。1枚足りませんね(笑顔)」

客:『こりゃすまん。じゃぁもう1枚。』

「はい,ありがとうございます。・・・6,7,8枚。8万円お預かりで2000円のお返しです。」

客:『どもども・・・?(財布に残った紙幣の枚数を確認して)・・・!(激怒)』

これ見過ごしやすいですが,典型的な「数え詐欺」です。★の時点で,お皿ごと利用客に札を返却するのがルールになっているはずなのです。それを守らない場合,詐欺をやっていると疑われても仕方が無いことになります。あとでもめたときには相当不利になるんじゃないですか?ありがたいことにいまどきはなんでもかんでもカメラに写ってますから。

落語で言えば,「いまなんどきだい?」で蕎麦屋の勘定をごまかす古典的なアレです。

そもそもあの皿は重要で,あれの上から札や硬貨を外に出してはいけないのです。

先日私自身も近所の郵便局で同じ事をやられました。幸いわたしが枚数を間違えたのですが,皿を返さないのです。とても驚きました。やはり財布に札を入れるときには枚数を数えておかなければなりませんね。

歴戦の老紳士ならここで怒り出すのは当然です。しかし責任者や金融機関側は「窓口員がそんなことするはずない」という姿勢で老紳士に対応しますので,紳士は益々怒ります。

うしろで見ていた私は「そりゃ怒るだろ」と思いましたが,客が怒り出したほうが都合が良いようです。店は開き直って「ギャギャうるさいじいさん」のように取り扱えますからね。別室に連れ込んで,警備員やらなにやらで取り囲んでしまえば,おとなしくなります。

最終的には,「財布に入れた枚数はいつ確認しましたか?」「絶対に間違いありませんか?」「捜査機関で証言できるくらい確信できますか?」など意地汚い質問攻めをするわけです。弱ってきたら家族に連絡して「認知症の検査をお受けになったほうがよろしいんじゃないでしょうか」攻撃です。こりゃまったくオレオレ詐欺と同じやり口じゃないですか。

しょうもないATMの方が余程信用できます。ATMも稀に数え間違えますが,記録から追えます。窓口員の不正は,協力者がいればひどく簡単です。

窓口いっぱいあってもヒマな時間帯には閉める窓口あるでしょう?カメラの位置関係と見比べるとなかなか興味深いですよ。信用できる店舗とそうでないのが一目瞭然かもしれません。

みなさんも,窓口でわざと少ない枚数の紙幣を渡してみてください。すぐに分
かります。

数え詐欺の思い出ですが,昔「電波少年」や「雷波少年」で海外の両替窓口でサギられまくってましたよね。日本の金融機関もあそこまで落ちてきたってことですな。