試作機は3台作れ

RX-78は,試作機3台の試験中にザクに攻撃を受け,1台を喪失。

残った2台のうち1台が運用に回され(つまりアムロ・レイ搭乗機)もう1台はスペアに回されるのです。まともな「機械」をつくることに携わったことがある人なら誰でも思うことですが,

スペアが1台じゃぁ,すぐに部品取りされちまって動かせなくなるだろうね。

もちろんその通りでしょう。量産していない限り,しょうもないバルブ1個,配管1本でさえ製作には途方も無い時間がかかります。スペアマシンは「ハゲタカ」されてしまうものなのです。

スペアが1台しかないにもかかわらず実運用に回すというのは,ヒドイ話です。基幹部品が2回壊れたら運用停止になりますから。例えばエンジン周り。

まぁフィクションの裏設定をゴネゴネしたって始まりませんね。実際の話で考えて見ましょう。

F1グランプリの中継を見たことがある人なら,スペアマシンの存在をご存知でしょう。最近のレギュレーションでは乗り換えに大きなペナルティがあるようですが。

昔話の世界にもすごいのがあります。戦艦大和です。かの史上最大と崇め奉られた戦艦大和には同型艦が存在しました。戦艦武蔵信濃です。運用してから戦果を上げられるかどうか確認する前に,とにかく3つ作るのです。3つ目が運用開始されるころには1つ目のフィードバックを盛り込んでも構いませんが,

1台作って運用して,結果を見てから2台目着手

などとやってたら勝てませんわね。大和武蔵の起工日を良く確認して欲しいものです。・・・大和はさっぱり戦果を上げませんでしたね,オホホホホ。

ごみためまんとしては,今時の組み込み系であれば初期ロットは5台でお願いしたい。昔と異なってハード屋といっても,今は回路屋さんとFPGA/CPLDのロジック屋さんが別の人だったり,マイコンのソフトとMPUのソフトが別の人担当だったりしますからね。

そして今日もまた,地球連邦旧日本海軍よりもヒドイ,

スペアなし開発強行

の現場を見かけました。日程が遅れそうなので,大幅増員をするようです。なんとマヌケなことでしょうか。

実機がなければ人間が何十人居たってデバッグなんか進みません。ごみためまん的にはモックやシミュレータを作ることを決めずににプロジェクトをキックオフさせた責任者を強く攻めたいところです。

みなさんもいっしょに,蟻地獄に向かって歩いていく不幸な蟻さん達のために祈ってあげてください。南無〜。(ー人ー)

リンク:
戦艦大和(wikipedia)
RX-78(はてな)