しらけ鳥はどこでも飛んでいる

東京タワーを建てるというプロジェクト。

これを

エッフェル塔をパクったランドマークを建てる

と見るか

世界でも類を見ない電波塔を建ててテレビジョン放送普及の起爆剤にする

と見るかで全然違います。

何が違うかというと,プロジェクトに参加する人々のモチベーションです。まずは設計者にはじまり,建設作業に当たったとび職人の方々。ペンキ職人の方々。

もちろん,どんなプロジェクトでもシラケムードで参加する人々は常にいます。問題はその比率だと思います。

役員同士が足を引っ張り合っているような事業ではシラケ率は0.5です。けれど,東京タワー建設では0.05くらいではなかったのでしょうか。

「技術者もビジネスのことを理解しなければならない」などと言うのは簡単ですが,ビジネスを単なる経理マン的視点で安売りして欲しくないものです。コストターゲットマーケティング結果を算数で計算しただけのシナリオを「ビジネス」などと語って欲しくないものです。

顧客に夢を見せるのもビジネスです。現場の作業者が誇りをもって仕事に取り組めるようにするのもビジネスでは無いのでしょうかね。

さて実際には東京タワーは,鹿内家の掌の上のサイコロのひとつでしかなかったのかもしれません。