シゴトの希釈率

パートナー技術者が,前の仕事に後ろ髪を引かれていることはすでにお伝えしました。リモートで作業しているのに,そんなことしてバレたらどうしようかと心配していたのです。

しかしですねぇ,元々この会社は掛け持ちデフォルトなんですな。心配して損しました。

平均して30%程度は他のシゴトをしています。そりゃぁもちろん契約条件さえ満たしておれば何やっても構いませんよ。

例えば,平均的な技術者が1ヶ月かかる仕事を半月で仕上げる技術者を集めて,一人当たり倍の仕事を受ければ,売上は倍にできます。

星の王子様的ベンチャーさん達は,それに誇りをもっておられるわけです。

しかしごみためまんは敢えて指摘します。皆様が掻き集めておられるのは,

・・・平均的な技術者が1ヶ月かかる仕事を半月で仕上げる技術者・・・

ではありません。いや,一部にはそういう方々もおられますが,その人たちに他の人たちがおんぶにだっこです。それじゃぁ大企業の横並び社会と同じじゃないですか。

どうして,通りすがりのごみためまんが気付くことから目を逸らし続けるんでしょうか。結局は大組織ではサクシュ側に回れないので,ちょっと規模を小さくしてMyサクシュ荘園を作りたいだけなんでしょうな。

で,平均的な技術者を掻き集めて,3割程度かけもちさせる。すると実質効率が落ちますから,スピードは5割程度に落ちるかもしれません。そして,案件情報のオファーに対して倍の人数で応じるわけです。

どこの会社もそんな感じでしょうから,業界的談合が成立します。まともな元請は,それがおかしいと感じますが,大抵は購買が叩いて何とかします。そうやって薄利多売のスパイラルです。

元請は,期間内で予算内なら,そんな細かいことはどうでもいいのでしょう。というか,どうにもできませんわね。殺し文句はこうです。

ご要求いただいている技術的レベルが高いものですから,なかなか相応な技術者が見つかりません。ちょっと申し訳ないのですが,人数でカバーするということで若干予算をオーバー致しますが,そこは何とか・・・

孫請け~ヤシャ孫くらいまで,こういうウォーターフォール構造なのです。どんどん生産性が薄まり,それに反比例して人数ばかりが増えます。

これが,滝つぼ生産性希釈の法則です。

簡単な話なのですが,掛け持ちをなくすだけで生産性が2,3割向上します。つまり技術者が10人おれば,2,3人は浮きます。あとは言わなくても分かりますよね?