悪質なパートタイマーの思い出

ブラックバイトネタも古くなってきたので。

語り人知らず。

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私はこの経験から、

長年勤めたパートタイマー

創業時のバイトから社員に登用された人

色眼鏡で見るようになりました。(個人的な意見です)

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開店当初からのベテラン”という枕詞は注意が必要ですよ。

私が目撃したバイト現場ではベテランパートさん二人がタッグを組んで、さまざまな不正をしていました。

歴代の店長も、このパートにからめとられていたようです。いったん不正に加担すると、そのこと自体を脅しの材料にしてブラック運命共同体を形成するからです。

物販の現場、とくにロスが多い生鮮食料品の小売の現場では不正はたやすいです。

よほどまじめな店長とお目付け役がいない限り、多少の不正はみな手を染めてしまいます。

会計や着服についてはここでは省略して、無知なバイト君・バイトちゃんがパートさんにもてあそばれる様子にフォーカスしてお話します。

念のため付け加えておきますが、これはパート→バイトだけで起こる話ではありません。バイト→パート、パート→パート、バイト→バイト、いずれの組み合わせでも起こります。長期ベテランが首謀者であることは共通します。

さて、新人バイトが入ってくると、まず発生するのが、

  • レジのお金が合わない事件

です。つぎに

  • ロッカーで金品紛失事件

です。

不慣れなレジだからお金が合わなくなるのは仕方がない、と見逃されると、合わない金額がどんどん増えます。最初は大目に見ていた店長も、だんだん猜疑心の目で新人を見るようになります。

そのうち気弱なバイト君は合わない金額を自分の財布から穴埋めし始めます。もちろんそれをアドバイスするのはベテランパートです。

あくまで私の場合だよーこれを強制するわけじゃないしー

10円20円は自分で穴埋めするし、

めったにないけど1000円単位のずれは、しゃれにならないから自分で穴埋めするよー

私が言ったって、店長に言わないでねー

一見、親切ですが、このパートが自分の財布からお金を出すことは実際にはありません。

アドバイスを受けて、新人バイトは100円、200円と、勤務のたびに財布からお金をレジに入れる羽目になります。

店長は「やっと慣れてきたんだな」と安心します。

しかしなぜかレジの金額ずれはどんどん大きくなります。1000円2000円、最後には1万円。

耐えられず新人君が辞めてしまったらパートにとってはハッピーエンドです。

普通のエンドは、新人が店長に泣きついた場合です。

いくらなんでも私はそんなにお札の数え間違えをしません!

しかしその主張は諸刃の剣です。なぜなら、そう主張するということは、

ほかのだれかが数え間違えている

と言って責任転嫁しようとしているのと見分けがつかないです。

さて、今時のレジを知っている人なら上記はアーリー平成のかび臭いエピソードだとすぐに気づくでしょう。

自動釣銭機付きのレジスターでどうやってそんな不正をやるの?

確かにそこへ投資する店舗では問題は生じにくいです。複数人で同じレジを使わないスーパーマーケットなども苦労してそういう運用になっています。

要するに、ほとんど答えの出ている問題だというこです。

簡易チェックポイントは以下です。

  • 自動計数機、自動釣銭機を導入しているか?
  • 複数人で同じレジスターを使用しないか?
  • レジに入る前に私物はロッカーへ?

さて、次はロッカーの私物の問題です。

新人が入るとしばらくしてブラックパートさんは、金品がなくなったと騒ぎ出します。そしてなぜか、別のベテランパートが、

紛失はみんなの責任だから、みんなでカンパしましょうよ

などと言い出します。新人バイトは訳も分からず従います。もちろんグルとカモに分かれています。グルの出したカンパは後程返却されます。

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自分で金を稼いだ経験のない引きこもりのお坊ちゃんお嬢ちゃんにはわからないでしょうが、上記はようするにタカリ・ユスリの典型的な手口です。

学生バイトで味をしめた人はパートタイマーになっても同じことを繰り返します。

騙されるのは世間知らずの坊や嬢です。パートタイマーなら、就業経験のない専業主婦や、ボサーと天井の機嫌ばかりうかがっていた元ヒラメ・ヒラリーマンです。

店舗の円滑な運営のための必要悪などといって、そういう不正を見て見ぬふりで放置する店舗で、人が集まらないのは当然です。そういう連中はこの手口を堂々と飲み屋で自慢話の種にしますから、ご近所には知れ渡っています。

で、ここまで読んで胸糞悪いと言っているあなたも、未払い賃金(サービス残業)、36協定違反というもっともらしい”暴力装置”によって、新人社員や偽装請負外注作業者からユスッタリタカッタリしているのです。

その自覚があってもなくても、そんな会社の従業員には「胸糞悪い」などという権利がありません。

同じ穴の狢とはそういう人のためにある言葉でしょう。

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例えば、似非派遣会社のある社員が通称ホワイトプランの就業規則だとします。ようするに、名ばかり管理職で、残業代がつかない人です。

この人が偽装請負の現場で、残業させられる場合、2つのケースが考えられます。

  • 似非派遣会社への支払いは変動
  • 似非派遣会社への支払いは月額固定

前者の場合、 基本給の違いくらいしかメリットがありませんね。しかし似非派遣会社自体は残業分を丸儲けです。

後者の場合、 常識的に考えればこれは「サービス残業の付け替え」で相当悪質です。

偽装請負や、未払い賃金の問題を些末な法のグレーゾーンのトリビア、などとみてみないふりをする人は、自分自身がブラック側だという自覚を持った方がよいかもしれません。

私に言わせれば指定暴力団の構成員が、「おれは普段はシノギの集計など事務の仕事しているだけだから悪人ではない。踏切でこまっているお婆さんも助けたし。」などと嘯いているようにしか見えません。

そういう無責任な輩をさすとき私はこう呼びます。

ゲ、ゲ、ゲノゲノゲ~

外道の下の下、という意味です。