道路交通事故のほうがよっぽど深刻
今朝のNHK日曜討論を見ていて思ったことです。
ATS改良型があれば事故は防げたかもしれない。確かにそうでしょう。
さっさとつければよろしい。
ふと足元を見れば,我々は0.5トン近い鉄の塊がビュンビュン走る道路を日々歩いています。
道路交通事故件数の統計を見ると,減少傾向とはいえ,年間8千人の死亡者が出ています。しかもこれは事故発生から24時間以内の死亡者数だけです。
単純計算で,8000÷356つまり毎日32人が殺されています。
では,道路にはATSに相当する自動車両停止装置が設置されているでしょうか。前方数百メートルで発生した事故を知らせる緊急無線が全車両に取り付けられているでしょうか。
いいえ全くありません。確かに20世紀後半からITSがらみでそういう絵空事を唱える山師たちがたくさんいますが,研究費をぶんどるだけです。なぜならそんなものの実現には幅広いコンセンサスが必要になるからです。
人間の命の重さは死んだ人の数だけでは計れないと言うなら,今すぐに全ての車両の走行を禁止しなければなりません。歩行者や搭乗者の安全が確保されるまでは。
それができないというなら時々起こる重大事故はゼッタイに避けられません。
酒を飲んだら運転しないよう動機付けするために重い罰金を課すことと,オーバーランしたら厳しいイジメにあわせるというのは同じレベルの発想だと思いませんか。
安売り合戦のパック旅行の大型バス運転手が睡眠不足で事故を起こすことと,厳しいダイヤで運転して過度の緊張状態で運転することは同じではありませんか。
長距離トラック運転手だって似たようなものです。
毎年毎年1万人も死んでいるのに,何十年経っても一向に安全が実現されない交通システムなんて本当に必要なんですか?
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