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2005.09.02

「想定の範囲内」を後出しジャンケンだと非難する連中

おばんでヤス。ベストフェフォート諸悪根源説信奉者のごみためまんです。

最悪値設計を叩き込まれたジジィとしては,設計のイロハのイについて書かなければならない時が来た商店。←そんな偉そうなものではない

今日も電波発信絶好調ですぞよ。ビビビっときちゃった^^

例えば,金融関係用のミッソンクリティカルなコンピュータシステムを作り上げるとします。

ほんの20年前なら,カスタム仕様のミニコンの開発から始めても良かったのでしょうが。今では許されないようです。仕方が無いので,落ちてるLinuxサーバを拾ってきて,ミドルウェアを盗んできて,フードプロセッサにかけてグチャグチャってやると,できあがります。

だけど,ちょっと負荷がかかるとすぐに落ちます。増強しても大して増強されません。サーバー増強見積もりの仕切り方法は,元の設備を100として増強率分の金額をはじくだけだからです。根拠無しです。さらにビンのクビが細いからです。仕方が無いのでロードバランサの専門家コンサルにタイ米をはたいて絶妙なチューニングをしてもらうことにします。実際には,ミドルウェアのソースをこちょこちょっと直すだけなのですが,どこを直すかは,コンサルが裏情報をゲットしなければ分からない仕組みです。裏情報はミドルウェアメーカのセミナーに4回以上通うと袋とじで教えてもらえることになっています。

それでもなおいろいろやった挙句に「本格的な増強のためには準備期間を1年以上要する」という声明とともに,これ以上負荷がかからないように利用者にお願いするという情けない結果に陥ります。

最初の負荷の見積もりが甘かったとかそういう営業的な視点でしか問題を捉えないのはよくないと思うです。

私は,

ベストエフォートなモノを使っているのに性能を保証しようとするマヌケな努力

に違和感を感じます。またそれがとてつもなく大きな商売のタネになっていることに嫌悪感を感じます。先に挙げたシステムも,そもそもある程度の負荷が来たら捌けないのは最初から明らかです。通信帯域から,ハードディスクのディスクキャッシュのヒット率に至るまでありとあらゆるものがベストエフォートです。それを総合して性能を保証などできるわけがありません。

だけど,「最低限どこまでの負荷までなら耐えられる」ことは保証しなきゃいけないんですよ。そうでなきゃ負荷という蛇口をいつ閉じれば良いのかすら把握できません。溢れる前に水門を閉じなければ。

しかしそれは,最悪値設計を積み上げる場合のみ可能です。バカなメカ屋ですらディレーティングします。安全率をかけます。2重3重に安全率がかかって無意味に頑丈な構造設計をする設計屋さんもいます。

だけどベストエフォートで最悪値すら算出しない連中よりは1億倍マシです。

電気屋なら,温度,耐圧で無駄に安全率をかけます。配線パターンの間隔がムダに広い所為で基板が大きくなります。それでも構わない。

悲観的設計主義:物事は悪い方にしか転がらないのです。

ベストエフォートにおいて

  • 典型性能
  • 瞬間最大性能

だけでなく,

  • 最悪値

も謳ってあるものばかりを組み合わせれば,最悪値設計は可能です。

最悪性能が決められないものの身近な例を挙げておきます

  1. L2スイッチングハブ
  2. 仮想メモリ機構を持つOSにおけるメモリアクセス

スイッチングハブは性能を保証しないばかりか,最悪性能も保証できません。保証してある製品があれば教えてください←強気で書いてるけど,あるんだろうな〜^^

仮想メモリがある場合,それがいつページングされるか誰にも分かりません。ページングにかかる時間の最悪値はどうやって求めますか。ハードウェア構成が固定であっても求められませんよ。その瞬間,二次記憶装置がスリープ状態だったら?ちょうど磁気テープがラックに格納された瞬間だったら?ハードディスクがたまたまその瞬間代替セクタ処理をおっぱじめたら?

私がつついているのは本当の最悪値です。たぶん,人命にかかわらないような場合は,私が指摘したような場合の生起確率を脚切りするしかないですよね。というか,分散分析なり統計的処理でごまかすしかないわけですよ。

1シグマより外の事象発生は事故とみなす。

ようするに,想定範囲内と範囲外の境目をマイルールとして決めろということです。ちなみにGEさんはその基準を6シグマにするという暴挙に出て話題になりました。世界中のバカ経営者がマネして悔しがっています。義務教育を受けていれば,会社組織がその境目を決めているはずだと気づくはずです。しかし現実は小説よりも奇なりです。

ごみためまん程度が知ってるこの与太話さえ踏まえずにチューニングだ,増強だと騒いでいるのはかなり恥ずかしいことだと認識していただきたいですな。

   

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