非連続都市伝説シリーズ:テストを増やせば品質は上がる
(肩をすくめる)
われわれのような、マッタンのインゲンにとっては、品質なんてどうでもいいんですがね。
世の中には不思議なことを言うHitBitが居て、
品質が悪化しているので、
試験工程に増員をかけ、
品質向上をはかる
とまじめな顔をして説明しているのを良く見かけます。
よく分からないのですが、
ソフトウェア製品のテストをやればやるほど、
品質は向上する
というでたらめを広めている連中がいるんでしょうか?
かすかな記憶では数年前から不況対策で大手のSIerどもが、こぞって
品質保証ビジネス
なるものを立ち上げて小銭を稼ぎ出したのは確認済みだった気がします。
連中は余った社員をねじ込むために、安い単価で立ち上げ期間が短い試験工程を狙っただけのことで深い意味はないのです。
ところがウソの念仏もとなえているうちにほんとになるの法則(©宮崎駿)が発動したのか、最近は
テストをすれば品質が上がる
などと根拠無く信じ込んでしまっている人が多数いるようです。
ごみためまんの考えは違います。
テストを増やす→摘出済みバグが増える
摘出済みバグを直す→品質が上がる
です。つまり「なおさないとだめ」です。あえて強調するまでもありませんが、
テストを増やすだけでは
絶対に品質は上がらない
これを詭弁だという阿呆もいるようですが、詭弁ではありません。キホンです。
何千億回テストをしたって、その結果を設計や実装に反映させなければ品質は向上しません。
テストをしたら未知のバグが摘出済みバグに変わるだけです。
もちろん、皆様の主張にも一部飲み込めるものがあります。それはたとえばこんなのです。
うちはほんの2,3年前まで、
ロクなテストをしてなかった。
ただひたすらクレーム対応で
つぎはぎのコードツリーを保守してた。
ようやっとテスト工程とチームを創設できたばかり。
そんなときに「テストをしても品質があがらない」なんて・・・
エンドユーザや客にテストをさせていただけのことなので、それを卑下する必要はないと思います。
もっともらしく「我々の製品には幅広いユーザコミュニティが存在し・・・」などと嘯いているパッケージソフトメーカと大して変わりません。それもひとつの選択肢なのです。
どちらかというと、
多数の本気のユーザからのクレームを手にしながら、
品質を改善できなかったのに、
ひきこもりテストチームのテストで、
品質が上がるわけ無いじゃん。
という言葉を送らねばならないでしょう。ユーザからの本気のクレームには値の付けられない価値があるのです。
なので、品質を向上するために必要なのは、
設計や実装工程での
問題の徹底的な前出し
です。阿呆にでもわかるように言えば、
品質を上げたければ、
まともな設計者を雇うか
実装者に充分な日程を与えるだけでよい
ということになります。時間的余裕があるかまたは現行製品をあきらめて未来に投資するなら、
まともな技術者をまともなセミナーで訓練する
それ以外の方法で品質があがるというのなら、インゲンにもわかる平易な言葉で説明して欲しいものです。
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上記の議論は、何年も前のケーパーズジョーンズさんの発表資料などにもでている話です。端的には「設計・実装レビューを強化せよ」です。
しかるに一方ビジネスは変化しやすく、しっかりレビューした仕様書も、実装する頃には陳腐化してしまっていたりします。
そこは解決すべき課題ではありますが、根拠も無くテストを強化するよりは100万倍マシと言えるでしょう。
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