« ポインタかどうかなんて分かるわけないじゃん | トップページ | 自己同一性障害を克服する »

2012.08.03

電子書籍ブームの見方

すでに識者の方々が指摘済みとは思いますが。

  

 

先日もGoogleリーダーに溜まった15,000件のフィードを消化していたところ、以下のような記事を目にしました。

  
   

電子書籍で旧来の出版関係者の食い扶持は提供されない。

    

すでにウェブおよび2.0が普及してしまっているので、

    

古臭い「本」の形式にこだわるコンテンツはカネにならないだろう。

    

そもそもいまどき白黒しか表示できない電子ブックリーダーや、

    

糞重くて腱鞘炎になるiPadで本を読むやつなんかいるのかよ?

  

というような貴重なご意見でした。

  

 

  

ごみためでは、最初から電子書籍市場にはこれっぽっちも期待しておりません。

  

カネを生む版権を持っている人々は、既得権益者ですが、媒体がどのように変化しようが、その権利を手放すはずがありません。

  

金を生むアヒルなのですから。

  

 

  

さてごみためでは、ウカレポンチの電子書籍市場に期待しているのはただ1点、

  
   

安い電子ブックリーダーが普及すること

  

この1点です。

  

 

  

いまや雑誌の付録にSDカードの時代です。

  

ペラペラの電子ブックリーダーそのものが紙の媒体の代わりに流通することさえ期待されます。

  

しばらくは会議資料を眺めるためのノートPCの代わりに使ったりする企業がエセエコを主張するのに利用したりすることでしょう。

  

 

  

マスクROM(死語)を搭載した電子書籍版少年ジャンプを100万部発行すると考えてください。厚さは5分の1、重さも5分の1になります。

  

これを現行の紙と同じ値段で発行できたらどうなりますか。

  

輸送費はびっくりするくらい安くなって、出版社は大儲けです。

  

電子データを配信するための無用なサーバーも必要ありません。

  

マスクROM部分を取り外して再利用するハックが流行することでしょう。そして毎週、膨大に読み捨てられる「元ジャンプ」電子ブックリーダーが、さらに市場のブックリーダーの価格低下圧力源となるのです。

  

フリーペーパー、新聞、カタログ・・・従来の紙の置き換えは天文学的な半導体需要を生み出します。

  

その短期間のブームのタイミングを見切らなければなりません。

  

 

  

***

  

この”もうひとつの”電子書籍普及シナリオのようなビッグピクチャすら描けないで、ニポーンの出版業界は自滅の時を待っている状況です。

  

まぁ生き残る知恵のない人が溺れるのはしかたがないのです。

  
   

泳げないやつはおぼれてしまえ

  

***

  

“もうひとつのシナリオ”を推し進めて考えると、いろいろ面白いです。

  

・本屋で電子書籍つきブックリーダーを購入

  

→読み終わったブックリーダーを返却すると20円もらえるデポジット制度

  

・月に1回、電子新聞入りブックリーダーを専用回収袋に入れて玄関に出す

  

→トイレットペーパーや洗剤がもらえる

  

・週刊誌用ブックリーダーは全ページ数×2回分ページを送ると電池が切れる

  

・電子書籍をコピー機で紙にコピーするとウォーターマークが出現する

  

・電子書籍つきブックリーダーを汎用化するキット

  

→読み捨てしたほうが安い

  

・汎用電子書籍に本をダウンロードする自動販売機が登場

  

→ソフトベンダーTAKERUの悪夢の再来

  

・電子書籍つきブックリーダーに紙の小冊子がおまけで付いてくる

  

・電子書籍のサイズがJIS/ISO化される

  

→専用収納棚やケース

  

・電子書籍の背に張るシールラベル

  

・日立マクセル製”生”電子書籍10巻セット(23ページ,60ページ)

  

・小さい文字で1画面に3ページ分表示する技術

  

→”3倍モード”

  

・”生”電子書籍に印刷する”電子書籍プリンタ”

  

→図面は”電子書籍プロッタ”

  

 

  

無線化してサービス連携させ、ソーシャル化するというのはいかにも今風です。

  

ですが、それが却って想像力を貧しくしている面もあるとひそやかに指摘させていただきました。

  

いずれにしてもブックリーダーのコモディティ化はすでに完了している事実です。

  

あとはこれが1000円の壁、100円の壁をいつ突破するかの問題だけなのです。

 

電子ブックリーダー・Kindle関連 ごみため(ー日ー膳!)

|

« ポインタかどうかなんて分かるわけないじゃん | トップページ | 自己同一性障害を克服する »

ぼちぼちでんなぁ」カテゴリの記事

住まい・インテリア」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/8092/55301793

この記事へのトラックバック一覧です: 電子書籍ブームの見方:

« ポインタかどうかなんて分かるわけないじゃん | トップページ | 自己同一性障害を克服する »