不連続都市伝説シリーズ:高価なバルブと高価な作動油がないと油圧サーボは無理
そのチョイスなら確かに高価かもしれません。
ですが、ふた昔前の伝説に振り回されていませんか?
その伝説とは、
航空機の油圧システムには
べらぼうに高級なサーボバルブが使われていて、
作動油はシャネルNo.9よりも重量単価が高い。
もしそんなのが潤沢に使えたら、
巨大ロボットなんて簡単に作れるのに・・・
というようなものです。
どうせまぁ油まみれの経験とノウハウがなければ、そんな軍用機器がたとえ使えたとしても、宝の持ち腐れになるのかもしれませんが。
さて、ご存知のようにハンドータイのでたらめな進化や材料の着実な進化によって、油圧制御系のシステムも進化を遂げています。
チェックバルブにハンドレバーが付いただけの
バンバン制御
のクレーンやユンボは、確かに今も現役です。
ですが、たとえば以下のような油圧サーボシステムがあります。
これらは、ACサーボモータの回転制御によって、油圧の吐出量を制御できるのです。
サーボバルブの仕組みを思い出してほしいのですが、大出力を制御する場合、サーボバルブはビックリするくらいエネルギーをロスします。
一方、上記のサーボモーター制御油圧ポンプは、必要な圧力と流量を電気制御します。
電子回路が分かる人なら、上記を以下のたとえで理解していただけると思います。
サーボバルブ=3端子レギュレータ(シリーズレギュレータ)
サーボモーター制御油圧ポンプ=スイッチングレギュレータ
スイッチングレギュレータのたとえで、カンの良いシトならお気づきでしょうが、上記ポンプはピストンポンプだったりして、吐出性能にやや断続性があります。
負荷があってもキャビテーションが発生しにくくなるようなノウハウが詰まっているとお考えください。
間違っても普通の油圧ポンプの駆動モーターにインバータをつないで断続運転などなさらぬよう。
サーボモーター制御油圧ポンプはサーボバルブに比べて、おおよそ以下の特徴があるとお考えください。
応答性能は劣る
大出力が出せる
エネルギーロスを小さくできる
(ただし油圧回路の構成次第)
個人的には、巨大ロボの足周りにサーボバルブなんか使った日にゃぁ、コンタミ、キャビテーションの発生による事故の恐怖のあまり、半日で髪の毛が白髪になると思います。
ポンプだからといってその心配が無い訳ではないですが、その辺はまぁ油圧回路図を引いて考えてみてください。
# 都合の悪い部分は逃げるw
みなさん、ZMP的な制御を10m超級のロボでやる度胸はないでしょう?
ということは、ユンボやシャベルを逆立ちさせる程度の動作をお考えということですよね?静的安定が前提で。
立たせるだけだったら、きっと普通の油圧で充分可能ですよ。
歩かせたいなら、ごみためまんに騙されてみたまえ。
りんくる:
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