私は指示をしただけ,は通用しない

酒を飲んで眠気をさまして1日に20時間も長距離運転する。そこまでしなくても,食べていけるのです。

では運送屋のシャチョーが暴利を貪ったから悪いのですか?

いえいえ。シャチョーは金策で走り回っていますよ。金策ついでに荷物を運ぶくらいの勢いです。

カトゥーン競争が原因ですね。ある意味,無理なコストダウンに応じてしまっているわけですからどうしようもないです。

どこにでもあるトラックと運転手を集めてきて,どこにでもある荷物を運ぶんだったらそれこそ誰でもできる仕事です。昔のように顔や付き合いで仕事を回してくれるイキなお客さんは,めっきり減りました。

さて,これまでは重大事故など起こしても運送会社のシャチョーまでにしか司直の手は伸びませんでした。

これからは違います。荷主責任まで問われます。ナカボーは去っても司法は死なず。ありえないくらい安いお金で仕事を押し付けることにも責任を問うわけです。

これは運輸だけでなく,産廃問題にも広がっていきます。

私は提示された条件に基づいて仕事を頼んだだけである,請けた人がどうしようが知ったことではない

というのは苦しむ孫請けの訴えを受け流す常套句のひとつですが,徐々に通用しなくなってきます。今後,あらゆるサクシュの現場で最後の盾となることでしょう。しかしそれも最後の盾でしかありません。