やたらと製品完成後の不具合にビクビクしている理由を考えてみました。
要するに彼らはヒッキーなのです。
陽の当たらないビルの中でシコシコとプログラムを書いたりワープロしたり。
せいぜいテスト環境でチマチマ”実運用風”のテストをしている”フリ”するくらいでしょ。
そんな技術者をフィールドや客先へ連れて行ったら大変なことになります。
それは仕様ですからどうしようもないです。
とか、
それはハードの不具合なのでソフトではどうしようもありません。
そんな使い方は想定していません。
などと真顔で言っちゃったらフツーお客さんは怒るわな。
お客様は神様だ、的な考えは好きではないですが、カネ出して買ったにも関わらず、ガッカリな不具合に遭遇してタダでさえへこんでいるユーザに対しては、春の日差しのような気持ちで接しなければならないことは言うまでもありませんが、それを学習していない人には言ってもわからないでしょう。
「それは仕様・・・」これに対しては一言で片付けることができます。
『お前の担当分野の仕様なんかどうでもいいんだょ』です。製品全体で、それが仕様かどうかは、一技術者が独断で判定できるものではありません。身の程を考えてから発言しましょう。
また、セールストークあるいはサービスマントークとして、第一声に「こんな風に動作しちゃってどうもすみません」が無いとどうにもなりません。しかし製品自体を卑下してはいけません。『こんなバグは些細なものです、ほかにもでかいバグがいっぱいありますんで・・・』なんて言ったらどうなるかわかりますよね?「金返せ」です。相手がバグだらけの製品を、対価を払って購入しているユーザだということを忘れてはいけません。
「それはハードの・・・」これも同じです。
「そんな使い方・・・」想定できないのは上位の仕様を決めた阿呆でしょうから、悪いのはユーザではありません。想定外の使い方をするユーザは金のなる木です。そんなユーザは競合製品のトリビアな挙動の差を熟知していたりします。
自社製品の使い方すら知らない調査部の読みにくくて意味の無い機能星取表よりよほど価値があります。
クレーム対応で現場に出ることくらい価値のあることはありません。しかし、それに価値を見出せない人を現場に出しても意味が無いばかりか、ユーザを怒らせることになります。
引きこもり青年が、わずかな報酬のためのアルバイトに興味を示さないのと同じように、ヒッキーエンジニアも現場作業を嫌います。
現場で自社製品がどんな風に使われているかを”自分の目で見たことも無い連中”が、製品仕様や使い勝手について議論している様子ほど滑稽なことはありません。
つまりですね、ヒッキーエンジニアというのは単なる世間知らずなのです。しかも、最も知っているべきはずの”自分が作っている製品についてだけ”世間知らずなのです。この矛盾、どう思いますか。