そんな風景を見ました。
夕どきのスーパーで、若いお母さんと小さいお子さんがワンボックスの車内で運転手のお父さんの戻りを待っています。お母さんは助手席でケータイの画面に夢中。お子さんは待ちくたびれて、後部座席の窓から顔を出して、通りがかる大人に声をかけて暇を潰しています。
おじさん、こんにちわ~
声をかけられた大人はスルーするばかりです。そのときワンボックスの隣にリッターカーが止まりました。出てきたのは擦り切れた服を着て痩せて暗い顔をした男です。
こんにちわ~
どこいくの~?
男はあさっての方向を向いたまま歩き出しながら答えます。
こんにち・・こんばんわ~
おかいものにいきますぅ~
ここで説教が入ります。
何してるの~
男はキーをポケットにしまいこみながら、だまってお子さんの方を振り返りました。
・・・
偉い坊さんでも、教育者でも、人生の先輩でもない者から、不意に説教を受けることがあるようです。
発している者は説教のつもりはなくても、時と所と機会によって、受け取るものは強烈な示唆を受けるということです。