サイバトロン vs デストロンに続く勢力、それがサーモクロン(Thermochron)です。(うそ)
10年振りにサーモクロンを使いました。
背景
1048の冷蔵庫の修理後、ちゃんと冷えているか怪しい感じだったため、測定して確認することにしました。
# 過去の経緯として、一度修理したのに再発していること、前回訪問調査の後で再再発したことなどがあるため信用ならないのです
冷蔵庫の厄介な所は、ドアを開けると温度が上がってしまうことや、霜取りサイクルなどの温度変化があることです。
温度計や寒暖計で測定するのは大変です。
そうかといって、民家の冷蔵庫が冷えているかどうかを調べるためだけに、K熱伝対を引っ張ってきて、データロガーで記録する、というのも大仰過ぎる気がしました。
そこで温度取りなどの市販の温度ロガーを眺めていたのですが、残念なことに氷点下を測定できる機種がないか、非常に限られていました。
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いまなら流行のラズパイやアルデュイーノなどでIoTブームに乗っかるのが良いのかもしれませんが、ここは懐古主義としてiButton/サーモクロンを使うことにしました。
サーモクロンについて
説明が前後してますが、サーモクロンは、ボタン電池の形をした、スタンドアロンの温度ロガーです。
測定可能な温度範囲が異なるバリエーションや湿度測定用のものなどもあります。
過去のサーモクロン
10年前の記事はイカ山椒魚。
iButtonのSDKがやってきた(2002.04.19)
iButtonのホームページから通販で注文して入手しました。
・・・
1個$15程度ながら、温度計+ロガーとなっており、さらにリチウム電池内蔵のため、ボタン単体で温度ロガーとして動作するのです。
「測定第一」をスローガンとして掲げているごみためまんは当時いわゆるクール宅急便にただならぬ不信感を抱いており、サーモクロンで各社の温度管理のいい加減さを追求しようと準備していました。
# 出張先から自宅へ、自宅から実家へ、旅先から自宅へ、などのルートも検討してた
最近になって、結局問題発覚していましたが、ごみためまんが当時動いておればもっと早く業界を正常化することができたかも知れず、反省することしきりです。
入手方法
サーモクロンを温度ロガーとして、使ってみるだけの場合、以下の2つだけをDigikeyで買えばよいです。
DS1921-F5 サーモクロン
DS9490 USBアダプタ
ごみためまんは冷蔵庫と冷凍庫をいっぺんに測定したかったので、サーモクロンを2個買いましたが、それでも合計1万円未満でした。
Digikeyではじめて買い物する方は以下のエントリのように配送が(悪い意味で)いい加減なので、ご留意ください。
環境設定
ツールはJavaベースのdemoツールで充分です。ただの温度ロガー用ツールを数万円で買う必要はありません。
・Windows用、OneWireViewerのオフラインインストール
http://www.maximintegrated.com/jp/products/ibutton/software/1wire/owv_offline_instructions.cfm
起動は以下でOKです。パスは適当に読み替えてください。
D:\tools\iButton\OnewWireViewer>java -cp "OneWireViewer.jar;OneWireAPI.jar" OneWireViewer
使い方
以下、サーモクロンの最低限の使い方です。
・USBアダプタにサーモクロンを刺す(向きを間違えると刺さらないので適当に)
・PCにUSBアダプタごと刺す
・demoツールを起動する
・時計あわせ
・新規ミッションを開始する(自動測定開始)
・サーモクロンをUSBアダプタから取り外す
・測定したい場所にサーモクロンを放置(時刻をメモる)
・必要な時間放置
・USBアダプタにサーモクロンを刺す
・PCにUSBアダプタごと刺す
・demoツールを起動する
・ログを確認して必要ならCSVで抜く
・ミッションを停止する(自動測定停止・これを忘れると電池が消耗する)
以下はスクリーンショット。
補遺
USBアダプタからサーモクロンを抜き取るには、ゼムクリップなどで押し出すのがよいです。突き刺す場所は以下の写真を参照願います。
ゼムクリップが懐に入っていない場合などは、USBアダプタをサーモクロンごと振り回して遠心力で取り出すことも可能です。
冷蔵庫内の温度は、JISで以下のように定められています。電話でクレームを入れる基準は以下となるようです。
日本工業規格(JIS)では「冷蔵庫とは10℃以下、冷凍庫とは-12℃以下」となっています。
ちなみに10℃をまもらないと食中毒のリスクが恐ろしく高くなって、命にかかわる場合もあります。たかが冷蔵庫、されど冷蔵庫です。
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