最近、ひつまぶしのために生産管理の本を眺めていて思ったことです。
在庫を減らす動機として、
資金を投入して得た/作った製品を
在庫として寝かせたままでは
回せる資金が減ってしまう
というような話が書かれていました。資金が1,000万円で、在庫が750万円なら250万円しか使える現金がないということです。
で、思い出すのは、
ニポーンの製造業って
下請けには手形を強制していたのだから
在庫があっても資金に影響しないんじゃね?
ということです。手形は後払い(=無利子借金)なので。会計上どうなるのかはしりませんけど。
偉そうにホニャララ生産方式とかいって下請けを「指導」していた企業が、実は下請けから広く薄く借金を積み上げて莫大な資金調達をしていただけのことだというような分析は、偉い先生はしてくれないんですかね。
はっきり言って支払いが手形の企業は在庫を適正に保つのに効果がある「ホニャララ生産方式」があろうがなかろうが儲かって当たり前だったのではないかという気がしてきます。
# この辺り、納品業者への支払いサイトが異常に遅いアマゾンと同じじゃね?という気もします。
一次下請け以下では、
自分は手形で受け取っているから
孫請けに手形を強制しないと回らない
という連鎖ですね。で、末端の零細事業者は手形を押し付ける相手がいないので、「無理なコストダウン要請が来ても継続で応じる」しかないというわけです。
なんかそういうニポーンの商習慣が製造業を歪めているとかいう分析はバブル前後に流行してたような気もするんですが、結局そこから構造改革に失敗した結果がいまの製造業のていたらくではないかという気がしないでもないです。
手形には手数料がかかるから無利子じゃないとかわけのわからないことを言う人がたまにいますが、
今日もらう1万円と
1か月後にもらう1万円は
おなじ価値じゃないですよ?
と説明して煙に巻くことにしています。
腹の底からゾっとするのは、いまだに製造業界隈の生産管理や会計を担っている人たちが、
手形時代の慣習
適正在庫理論(40年前のテキスト)
を頼りに仕事を回してるんじゃないかという心配です。それが零細事業者なら別にどうでもいいのですが、大企業の調達部門の世代交代、大丈夫ですかね?
なるほどそんな時代遅れのところはとっくにジリ貧になっているのが今の状況だとは思いますが。
支払いが1か月遅れても
1万円は1万円
そんなことは納得ずくでウチと取引しているはずだ
などと真顔でいう間抜けには早々に退場していただかないと。
# いっぱいいそうだなぁ