不定期ウィークリィFYI:採用・求人における年齢制限は単に違法なだけ

派遣先から「若年者(2、30代)」をもとめられた派遣元会社は、自社が若者から敬遠されていることを棚に上げて人口統計を示してまでエクスキューズする必要はありません。

単に違法だからです。

今だに多重派遣を平然と行う業者は減ったと思いますが、年齢性別を指定した求人は例外事由に当てはまる場合を除いて違法なのです。それは派遣でも同じです。

厚生労働省:労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A (mhlw.go.jp)

Q1-9:労働者派遣に関してはどのように扱われるのでしょうか。

A: 労働者派遣に関して、派遣元事業主が行う派遣労働者の募集・採用についても、雇用対策法第10条の適用があります。
 なお、紹介予定派遣に関して、派遣元事業主と派遣労働者が期間の定めのある労働契約を締結する場合においても、派遣元事業主が行う職業紹介により派遣先と派遣労働者が期間の定めのない労働契約を締結することが予定され、その旨が求職者に予め明示されているときは、例外事由の第1号並びに第3号イ及びロの「期間の定めのない労働契約を締結することを目的とする場合」に該当します。

人事の人が、「採用求人に年齢制限かけられないから、派遣にしますね?」と事業部門の部長に念押ししている風景は間抜けを越えた何かということでしょう。

間接部門の人が昔からよく言う「現場では法律をイチからジュウまできっちり守ってたら仕事が回らない」は「めんどくさいから(社内の)前例主義で仕事してるだけ、法律なんか知らんし、どこを見ればよいかも知らん」とカミングアウトしているのと同じです。

そうやって裏金作りに加担し、毎月末に収入印紙を買いに郵便局の窓口に並ぶことになるわけです。

さて、この「期間の定めのない労働契約」などの字面だけを見て、「何十年も派遣を受け入れてくれるありがたい派遣先が若年者を希望するのは当然で、それができない法律は無能」とわけのわからない主張を開陳する人がいるようです。「何十年もじっくりノウハウを継承、育成したい」のであれば、正社員を採用すればよいだけのことです。

最低限、以下のパンフレットに目を通して、しかるべき士業の人に見解を求めるべきです。

0000158624.pdf (mhlw.go.jp)

現状、年寄りばかりで若年者を増やしたい場合は例外もあります。そのためには現状の年齢構成を示す必要があります。

派遣会社に「若い子すぐにやめちゃうんだよね~。代わりに探してくれないかな~。」とか頼んでいる時点でいろいろオワッテいる気がします。

いまやヤングは金の卵なのです。

我々はもう少しの間、仕事から解放されないわけです。