ごみため(ー日ー膳!)マイナス

不連続シリーズ:富の源泉スペシャル:ゴールドが最高値を更新し続けるのはインフレのせい?

以下の続きです。

富の源泉2020夏:豊田商事と金本位制の崩壊
不連続シリーズ富の源泉スペシャル:170年ぶりのメキシコドルの復活

ゴールドが最高値を更新し続けているそうです。

世間の経済解説を眺めると、きまって「インフレヘッジ」だの「地政学リスク」だのといったお題目が並んでいます。

物価が上がるから金が買われる。
きな臭いから金が買われる。
教科書にはそう書いてありますな。

でも、その理屈を鵜呑みにする前に、ちょっと手元の算数を確認してみましょう。

金利がつかないゴールドは、実質金利(米10年物TIPS利回り)と逆相関になる。

これが従来の金融工学のドグマでした。
実質金利が上がってプラス圏に定着すれば、利息を生まない金は売られるはずなのです。

ところが現実はどうでしょう。
Janus Hendersonの分析でも指摘されているように、2022年以降はこの逆相関が崩れ、米国の実質金利が高い状態にあるにもかかわらずゴールドが上昇しています。

教科書通りの定石が崩れているわけです。

※教科書のほうが現実に合わせて書き換わるパターンのやつです。

***

では、いったい誰が買っているのか。

主役の一角として見逃せないのが中央銀行の動きです。
World Gold Councilの集計によれば、中央銀行による金の購入量は2022年に過去最高の1,136トンを記録し、2023年に1,050.8トン、2024年に1,045トンと、3年連続で1,000トンを超えました。

2025年については報道によれば863トンに下がったとも言われています。

ウクライナ戦争の直後に何が起きたか、覚えていますでしょうか。
ロシアの外貨準備が凍結された一件です。

あれを見た”Rest of World”の中央銀行の金庫番たちは、どんな計算をしたでしょうか。

「自分たちが汗水たらして輸出して溜め込んだ米国債やドル預金は、相手の胸先三寸で画面上の数字を止められたら終わりなのではないか?」

以前のエントリでも書きました。
豊田商事のペーパー証書と同じ構図に見えるわけです。

手元にあるのは「相手が価値を保証してくれるはずのペーパー」であって、相手の都合ひとつでいつでも紙屑になり得る。

お米の国の信用という裏付けしかない証書を握りしめ続けるリスクに気づいた連中が、帳簿上のドルをせっせと現物のゴールドへ交換(アービトラージ)していると考えたらどうでしょう。

インフレだから上がっているのではなく、ペーパーの信認が剥げ落ちたぶんだけ、現物の対価としての数字が膨らんでいるだけに見えてきませんか。

もちろん、これはごみための勝手な仮説です。

実質金利との逆相関が崩れるなかで起きた、中央銀行による記録的な現物買い。
どちらの算数が辻褄が合っているか、読者のみなさんも電卓を叩いてみてください。

→「有事の金」ではなく、「信用の終わりの金」だったりして。

りんくる:
以下をオオサンショウウオ。
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