掛け持ち仕事で売り上げ3倍増

奇跡のソリューションです。

単価の安い仕事をたくさん引き受けてしまいました。

(古株)社員を食わせるために、若い社員に掛け持ち仕事をさせることにします。

優秀なマネジャーなら、若い社員2人に2倍の仕事をさせてもしっかりと管理してくれるはずです。

もっと売り上げを伸ばせという圧力が創業者から出ました。

優秀なマネジャーなら、下請けの人間に丸投げしてもしっかり監理してくれるはずです。もちろん、2人分の仕事を1人分の単価で引き受けさせます。丸々1人分ピンハネしても、古株社員に余分に払う給料が足かせ(間接費)となって利益はギリギリでほとんどボランティアです。

下請け会社でも状況は同じです。

社員1人に2人分の仕事を割り付けて、社員が足りない分はさらに下請けに丸投げします。2人分の仕事を1人分の単価で・・・

4人が元請、2人が下請け、残り2人が孫受けの場合、それぞれの月単価はどのように計算されるでしょうか。

元請が1人16万円の単価を想定すると、8人分で16人分の仕事を請けるということになります。売り上げは256万円/月です。このうち半分の8人分の半分64万円で下請けに出します。256万円の売り上げの半分128万円分の仕事を64万円で丸投げすると言うことです。

下請け会社は8人分の仕事を4人で請けます。1人16万円の単価ということです。しかしそれでは見た目の人数が足りませんから、仕事を掛け持ちさせて割り付けます。というわけで、請求書では8人・月で1人8万円の単価となります。4人分の仕事を2人分で孫請けに出します。32万円分の仕事を16万円で丸投げすると言うことです。

元請は、256万円の売り上げで64万円の支払い。4人で差し引き192万円です。48万円/人・月となります。

下請けは64万円の売り上げで16万円の支払い。2人で差し引き48万円です。24万円/人・月です。

それぞれ16万円の単価で請求しているのですが、一人当たり48万円、24万円ゲッツしています。3倍、1.5倍のパフォーマンスですな。

2人分の仕事を1人にやらせるのですから、倍の売り上げで当たり前のように思うかもしれませんが、元請がさらに1.5倍の売り上げを出していることに注目して欲しいですね。

下請けは1人で2人分の仕事を請けて、1.5倍の売り上げですから、0.5人分アレな感じがしますが、0.5人分くらい遅れたって、中規模以上のプロジェクトでは誰も気にしません。マーフィーのせいにしておけばいいのです。

われわれ偽装請負は、孫請け以下に配置されます。ですので割を食うわけです。お分かりでしょうか。

下請け以上に行けば、必ず儲かる世界です。勝ち組負け組みの境目ですな。