不連続都市伝説シリーズ:ホワイトカラーの生産性はもっと上げられる

上げる余地はあるでしょうが、簡単ではないと思います。

ホワイトカラーの生産性についてブルーカラーと比較をすると、生産性を上げるのにビミョーな障壁があるように思います。

そのひとつが、ホワイトカラーの仕事の方が負荷の変動が見えにくいことです。

代表的なブルーカラーの仕事、製造業であれば、段取り替え時間を改善してリードタイムを短縮し、作業者ごとのタクトタイムを平準化してパイプライン、並列化の効率を上げていく、というオーソドックスな方法論が存在します。

方法論はありますが、実際に適用するのは大変難しいわけです。

難しいからこそ、生産性を上げるのに成功した企業は莫大な利益を得られるわけですね。

間違っても、

偽装請負の作業者の月単価を半期ごとに0.5%切り下げる

などというゲスな手段をとってしまわないようにしたいものです。

まぁ大抵そういう企業はいずれまともな人員を獲得できなくなって、口入屋からも見捨てられ、”どこの国から来たのか分からない中国人”研修生にも逃げられ、週刊誌にスクープされ、挙句に台湾企業に買収されてしまうわけですが。

 

さて、上に書いたブルーカラーの生産性向上の方法論にはおそろしい前提があります。

人員固定なら

生産量もほぼ固定でないと成り立たない

受注生産の会社で、毎日注文量が何倍何十倍も変動する工場があったとして、高い生産性を維持するのはほとんど不可能です。

例外としては

今日は100個

明日は10000個

納期はいつもと同じ。

そんなむちゃくちゃな発注をこなせる夢のような下請け外注に恵まれていれば別ですが。

解決策の一つとしては、だれかが間に入って在庫を持つことです。非常に簡単です。

在庫を持つことにリスクがなければ問題ないでしょう。

 

昔のメーカーの購買部長であれば

わしが責任とるもんで~

安心して先行生産してかまわんでよ~

(先行手配分の材料費はそっち持ちでw)

えぇから、はよ・やってみや~ちw

実際にはリスクは下請けがかぶり、生産計画の変更により、大量の在庫を抱えさせられることになるわけですが。

 

さて、上記のような生産計画+改善で得られる生産性の向上をホワイトカラーの仕事にそのまま適用できるでしょうか。

できないでしょう。

ホワイトカラーのための

作業計画

そんな計画的にできる仕事は会計くらいではないではないでしょうか。しかしいまどき会計とは使いにくいホストコンピュータの使いにくさMAXに耐える忍耐力のある人だけがこなすことができる事務作業の亜種であり、ほとんど人手がかかりません。

営業はどうでしょうか。

午前中に50件のテレアポ

そのうち5件でアポが取れる

当日までにキャンセルされない分を午後に外回り

テレアポと外回りを分離すれば、すこ~し生産性は向上するでしょうけど、客にしてみれば

電話で頼んだ話を

会いに来た営業マンが勘違いしてる

という残念なエクスペリエンスを体験するだけのことで。

受注につながる確率アップ=営業の生産性向上、と考えるなら、マイナスかもしれません。

 

モノを売る営業で、自爆営業以外に営業成績を着実に上げられる方法論が確立されているでしょうか?

核家族化が進んで

自爆営業

にスポットライトがあたりがちですが、

家族や親戚

同級生、同窓生

前職の取引先

などに頼って営業成績を上げているトップセールスマンも多いでしょう。

 

でまぁ実際のホワイトカラーの生産性向上というのは、

売り上げや利益を伸ばすのではなく

経費を切り詰める

という間抜けな方向へ傾きがちになるのです。