日本人が外国語を話すことに対する最大の心理的障壁は、日本人です。
何十年も前から国際化を済ませている輸出企業では、その対策も済んでいましたが、内需万歳のIT企業ではいまだにバッドカルチャーが残っています。
例:
A:インド人や中国人は「英語ができる」と簡単にレジュメに書くけど、実際には使い物にならなくて、日本人の「できる」とレベルがちがうんだよねー?
B:そうそう。「カタコト」のレベルが違う感じ?
偉そうに騙っている彼らは、組み込み製品開発者を自称しつつツールチェインやクロスコンパイラについて無知だったりするわけです。そもそも、おまいらの英語、そんなにイケテルと本気で思っているのか?とも思ったり。
ひどい英語でも「コミュニケーションするつもりがある」なら「できる」と書くでしょう。仕事が欲しいのですからね。
日本人は、ありもしない「製品開発スキル有」とは書かないで「組み込み製品開発経験がある」とだけ書くわけですね。嘘はついていない。ですが、ごみためから見れば「私は何もスキルがありません」と自白しているようにしか思えません。(意見には個人差があります。)
ごみためまんは、レジュメでも面接面談でも「TOEICのスコアはリスニング&リーディングのものです。英会話はできません。リスニングが少しできるだけです。」とはっきり書くか、言うようにしています。「ただし、英文の読み書きはできます。日本語の2~4倍時間がかかりますが。」とこの字面の通り言っています。
残念なことに英語ができない哀れなニポジンは、たいてい日本語も正しく理解できないので、これを、
英語が読める→英語が喋れる
と勝手に脳内変換します。そうして、カタコトの英会話を見て、
あいつは、ほんとにTOEIC700点オーバーなのか?
と詮索するわけです。程度の低い差は詮索好きと比例しますからね。(意見には個人差があります)
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TOEICには、まとまった人数で受験する企業に対して、社内で試験をおこなう制度があります。数百人で同時受験するなら話は別ですが、数十人規模で実施するのは統計的価値が相対的に低いといえるでしょう。
したがって、企業内受験と一般受験の点数を単純比較するのは意味がない気がします。
ご存知の通り、TOEICの点数は標準偏差などで統計処理された結果ですので、「大阪市内の中学受験模試」と「全国一斉模試」の偏差値を比べるようなものです。人によっては「意味がない」と言うかもしれません。 (意見には個人差があります)
程度の低い人たちは、偏差値自体を理解できないので、ここで説明しても文字通り馬耳東風かもしれませんが。
もちろんごみためまんは、学生や子供、お年寄りと一緒に、狭い大学のキャンパスで硬い椅子で、受験しましたよ。みな条件が同じですからね。
快適な空調でふかふかの椅子で受験する企業内受験制度は、いろいろ問題があるような気がします。 (意見には個人差があります)
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さて、英会話を覚えた似非技術者が次に犯す過ちは、
英語が喋れるなら英語が読み書きできるつもりになる
という勘違いです。
↓ ↓ ↓ この本を読むまでもなく、英会話は数百語の語彙でできてしまいます。それでもネイティブの幼児に劣るわけですが。
TOEIC700オーバーなら、語彙数はかるく5,000を超えます。というか英語の新聞を読んでいたら、これでも足りません。
で、ビジネスメールを読めずに苦労するのです。会話と全然違いますからね。そもそも程度の低い人は日本語でも手紙を書いたことがないのではないでしょうか?拝啓?ビジネスメールで拝啓?(笑
社内メールなら、覚えたてのなんちゃって英会話通りの文面でもなんとか意思疎通はできるかもしれません。ですが、社外メールや、上位マネジャーの指示はやはり「英文書き言葉」ですので意味が理解できません。ニュアンスも受け取れません。書けるはずがありません。
況や技術文書はもっと読めません。仕様書、規格書、分析レポート。
そりゃそうです。「日本語が喋れる」からといって、だれでもソフトウェアの設計書が読み書きできるなら、技術者なんていらないわけです。
日本語ではそれが当たり前なのに、なぜかニポーンでは、
・それなりの設計実務経験がある
AND
・日常英会話ができる
→英語ができる
という訳の分からない誤解が横行しているのです。
ビジネス英語と技術英語は全然違います。同じビジネスでも、会計と営業では全然違いますね?IT系の技術者が建設現場の英語を読むのに苦労するのと同様に、英会話ができてもそれだけでは設計開発の役には立ちません。
とくに英会話しかできない間抜けが英語で技術文書を書いたらどうなるか?
そりゃもう「小学生が書いた作文」ですよ。
あるいは、「万人が読める平易な技術文書」ですか。なるほど競合他社に流出して、笑いものにならないことを他人事ながら祈ってしまいますね。
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という具合に、できない人のことを陰で後ろ指さすニポジンが多いので、チャレンジする人が減ってしまうわけです。
これはまったくのスネークフィートですが、TOEICで800点未満というのは、「高校卒業程度の英語力」とされています。英検3級以下ですね。ですので、私は最終学歴に見合わないTOEICの点数を自嘲気味に説明います。(通じたことがありませんが。「すごいですね~」というのが冗談に聞こえる私が正常ですよね?)
平均的な日本の技術者は一度もTOEICを(会社以外で)受けたこともありませんし、そのこと(高卒程度)自体を知らないのです。つまりTOEIC素人ですね。
それなのに、他人の英会話力を見て、
TOEICxxx点ならもうちょっとしゃべれるはずだろ?
などという程度の低い会話に参加するわけですね。
こういう話と同じかもしれません。
高校で球拾いしてた元野球部員が、いまや草野球のエースになった。
日曜日の夕方に少年野球の子供の親からかすめとった「謝礼」で打ち上げ。そこで油まみれのテレビに映るイチローの活躍を見て、
イチローも歳とったなー。
スイングに切れがなくなったよな。
などと嘯いているわけです。いったい何様かと。
私はそんな席で、
ほんとそうっすよねぇ。
などという太鼓持ちにはなりたくありませんね。対価が安居酒屋の飲み放題1500円ですよ?割に合いますか?