21世紀は化学の時代(マチガイナイ)

2,3年前でしょうか。どこぞの国の偉い化学者のセンセが子供たちに向かって力説していました。

私もあるツテで,半導体基板上に構成されたミニミニ化学プラントを見せてもらったことがあります。圧電素子でごくごく小さなポンプが構成されており,細管内で化学反応を起こさせるのです。ある物質を検出するための装置でした。従来品に比べて,数倍のスピードで反応が完了し,検出作業のスピード化の実現が期待されていたようです。

圧電素子によるバブルジェットや,あるいはインクジェットのような技術は実は化学でこそ大きな成果をあげるのです。エロ画像を印刷したり読んだらすぐ捨ててしまう会議資料を印刷したりするためだけに使うのは誠にもったいないのです。

当然のことながら既に染色体の分析工程などにはそういう技術が盛んに投入されています。

そうではなくてごみためまん的妄想チックな本命は,上で説明したような化学物質の合成です。圧電素子による超超小型ポンプと基板上の極細管では,化学反応がスバヤくて無駄が無いのです。

味の素を作るためだけのプラントがなぜあんなに巨大なのか,考えたことがありますか?もちろん同時にたくさん作るためにデカイというのも理由のひとつです。しかしながら,例えば小さじ一杯の味の素を作ろうとしても,小さな家に入りきらないくらいの設備が必要となります。当然莫大なエネルギーも必要です。廃液もタンマリ出ます。

ところが,海の底のコンブはペラッペラの体でせっせとうまみ成分を生成します。全部食べられます。

この差が問題です。抗生物質を作るのに,大腸菌を利用するのはなんでですか?

ロボットが2乗3乗の原理に束縛されて大型化が困難であるのと逆に,化学反応では小さければ小さいほど有利なのです。

巨大なタンク内の温度・濃度・圧力を同時に制御するのがどれほど難しいか。知ってる人は知っているはず。

何千リットルのタンクを数リットルにしても難しさは大して変わりません。しかしながら,数ナノリットルやもっと小さい容量にしてしまえば,少なくとも温度制御はびっくりするくらい簡単になります。

従来それにトライできなかったのは,ピコリットルまで制御できる小さな良いポンプが無かったことです。つまり計量できなかったのです。さらに言えば,この正確なポンプのおかげで圧力制御も可能になってくるのです。

もっと先を見れば,大腸菌クンやリボソームさんと張り合えるかもしれません。万が一そこまで到達すれば,20世紀に蓄積された塩基配列を駆使して,様々の有機物質,特に有意義な酵素の合成が簡単になります。

そのちょっと先には,つまり地獄の3丁目くらいでどんなことが見えてくるかは私が書くまでもありません。

問題は,化学プラント屋さんがそっちに目を向けてくれないことです。何十億のばかでかい案件を取ってくることばっかり考えておられるようです。誠に残念です。また,誰も彼も遺伝子解析関連に流れています。残念です。神の御手をリバースエンジニアリングしたって,それを駆使する存在がなければ・・・ねぇ?

デスクトップファクトリなんか目じゃないんですょ。デスクトップシンセサイザです。机上錬金術。チョ〜かっこいいのになぁ^^

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