カネはいらねぇ、仕様書を置いて行きナ

何箇所か回ってみて、人の動きが激しいところの特徴はつかめてきました。

報酬の相場も見えています。

技術者としての楽しみは、「いろいろなものをこの眼で見ることができる」ということにシフトしてきています。

たとえば、どんなに優れたソフト屋であっても、競合他社のソースは見ることができません。

これがハード屋やメカ屋だと違います。

よく知られた話に車屋サンがあります。他社の新車が出たらバラバラにばらして、「自分の眼」で見ます。見るチャンスがあると言うべきでしょうか。

開発技術者だけでなく、部品メーカの技術者も同様にします。さらに言えば、その部品の加工機械のメーカの技術者ですら、最終製品をバラして『研究』します。

これが世に言うリバースエンジニアリング(RE)です。

ソフト屋さんはREが足らないと思います。

ソフトウェアのREは労多くして益少なし、かもしれません。しかしながら、だからといって、競合他社製品の名前も知らず触ったことも無い、というのでは言い訳も立ちませんね。

また、

所詮俺の担当は全体の1万分の1、たった数千行だから競合製品とか、どうでもいいし

というような姿勢も困り者です。

いいですか。神は細部に宿るとダレゾが言ったようですが、ネジクギが粗悪品なら、巨大なビルもすぐに傾くのです。

1万も10万もあるすべての部品にはマージンが設定されている。
だったら俺の担当部品が1個か2個、粗悪品だったとしても、全体では十分マージンがあるじゃないか。

この、どうしようもないせりふにはノーと言えるあなたが、自分の担当しているソースについて、どうでも良いと考える理由がわたしにはわからない。

もちろん私が言っていることは飛躍だらけで、こじつけばかりです。

競合他社のソフトウェアをREしないからといって、作るソフトが粗悪品であるとは言えません。おっしゃるとおり。しかし、競合をREしないで、他社と同等かあるいは優っているとなぜ確信できるのか、私にはどうしても理解できなません。

このソフトウェア部品の機能、性能、品質、保守性は、これで充分である

という彼らの自信は一体どこから沸いてくるものなのでしょうか。

優劣というのは、比較しないと生まれません。

なので、REができない理由を並べるのは結構ですが、その前段階まで端折るのは間違っていると思う、という話でした。