慢性の人不足

わずか数か所を回っただけの経験でしかありませんが、やっぱりマンパワーを次々と投入する現場とそうでない現場には違いがありますね。

Web系は集めやすいとか、Javaの方が人口が多いとか、ウソですね。関係ないですよ。

結局人不足になるのは定着率が悪い、あるいは引き継ぎにやたら工数がかかるのが原因です。

その原因を取り除くか緩和すれば必然的に人不足は解消されます。

今日はそのうち引き継ぎにやたら工数がかかる件について書きます。

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つまるところ昔製造業の現場で見たのと同じです。ヘンな言葉遣いが蔓延しており、かつ大規模であればある程、ヨソからきた人が大変です。

ちょっとしたパラドックスです。定着率が高く、離職率が低い現場では、わきあいあいと同じ顔ぶれで開発が続けられます。

しかしこの、ある意味で鎖国状態で長年にわたって開発していると、当然妙な文化が生まれます。

問題は、妙な文化と外の文化の変換が内側で意識されていない時です。

先日も、CVSのリポジトリについて、branchを”ブランチ”、trunkを”幹”と称している現場を見かけました。それ自体何も問題ないわけですが、

幹っていうのは、”トランク”のことですよね?

と外からきた人が言ったときの反応が大問題です。

よそでどう言うか知りませんが、ココでは”ミキ”と言うので従ってください。

これはいけません。何がいけないって、”ココ”という言葉のスコープです。大規模開発ではセクションをまたがった時点で言葉が通じないことも多いです。

こういう場合の”ココ”はまず間違いなく「オレオレルール」であることは間違いないでしょう。隣のセクションや別フロアではtrunkで通じるかもしれません。

ごみためまんの個人的な感想としては、

トランクをミキって言うなら、ブランチじゃなくてエダって言えよな。

です。最初のだれか、それはつまりモノリスに影響されて初めて獣のホネを道具として使ったサルのことですが、彼がブランチ-幹という組み合わせを選んだだけのことです。

何の意味もない。

それを外の世界では、エダと言ったり、分岐と言ったり、分岐元を根と言ったりrootと言ったりすることを知らなければ、それ自体がマンパワー導入の障害となるのです。

外からきた人は、自分の知識や経験を新たな現場でのそれとマッピングして利用します。

なのでこの手の些細な質問や確認を数十~数百こなすだけで引き継ぎの大部分が終わるのです。

しかし受け入れ側がそれができないので、外からきた人は無駄足を踏みまくります。七転八倒するわけです。

そのほうが受け入れ側の精神安定のためには好ましいのかもしれません。

通りすがりの若者が、あっさり引き継いでしまうと、脆いプライドがうちぬかれてしまうこともあるでしょうから。

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いっぽう、日々、大量の人間が投入される現場では、書籍、インターネットで見かけるコトバが普通に飛び交います。まれにマイナーな言葉遣いがあっても、

このタスクというのは、まぁスレッドのようなものです。

と注釈付で説明されます。すくなくとも「タスクと呼ばれる何か」として認識しているだけの現場とは雲泥の差があります。

言葉でのコミュニケーションのベースがあると、常駐させる必要もありません。電話かメールで充分です。引き継ぎの最終日にはSkype用のヘッドセットが配布されます。

場所もいらず、手間もかからない。だから外注に出すのです。アウト・ソースでしょ。

いちいち頭を突き合わせて打ち合わせばかりやらなきゃ仕事が回らないから、常駐させて時間で縛る。それのどこが”アウト”ソースなんでしょうかね。

りんくる
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