制度不良を維持してきたのはあなたとわたし

年金は、制度に不備がある。賦課方式をやめて積み立てにするべき。

そもそも制度の全体が分かりにくすぎる。細かい特例が大杉。

なるほど確かにその通りです。

しかし比較的大きな仕組みが走り出すと、途中で問題が発覚してもなかなか抜本的な改革はおろか、対策案さえ出せない状況というのは、いかにもありがちなのです。

たとえば偽装請負で小銭を稼ぐしか能がないごみためまんは、ここ数年そんな仕事ばかりをこなしています。正確にはこなしているフリをしているというべきでしょうか。

いまどきは、しょうもないマイコン製品であっても、搭載ソフトウェアのコードサイズは無駄に巨大です。

同じ複雑さであったとして、倍の人数を養うためには、言い方を変えれば、倍の人数の計画書を書くためには、コードサイズを水増しするしかありません。

大人の世界ではFPや、複雑性のメトリクスなんてものは認められないわけです。

さて、短期間であちこち転転とするような、いかにもちょっと人格に問題のありそうな技術者には、前任者がぐちゃぐちゃにして放置したままの仕事しか回ってきません。誰かが引き継ごうとして失敗してさらに悪化した状況から手を着けることもあります。

作業としては、実質的に

  • リバースエンジニアリング(RE)
  • トリアージ
  • 実際の作業

という流れになるわけですが、どういうわけか前2者の工数が与えられません。で、「ベテランか経験者でないとムリ」というわけのわからん説明を垂れるわけです。

ベテランはREにかかる工数を実際の作業の中でちょろまかしてやるだけのことで、これは経験者も同様です。

じつは最大の問題はREにかかる工数について、コンセンサスがないということなのかもしれません。突き詰めていくと、結局経験次第ということでうやむやになります。

この点大きな間違いであると指摘しておきます。実装技術や評価技術と同様に、RE技術にも標準があってしかるべきなのです。それを個人の技量や経験に頼って、ウラで処理しようとするからまずいことが起こるわけです。

この辺までくるといろんな突っ込みが出てくると思います。例えば「REなんか要らないように設計/実装してあればそんなこと考えること自体が無駄でしょ」

なるほど確かに無駄です。うまくいいっているプロジェクトなら。

私がやらされているような仕事というのは、実はプロジェクトのふぇーるセーフあるいはセーフティネットの発動そのものなのでしょう。

「うまくいっている部分」の担当者には見えない問題点というのも多いのです。REを通じて全体を客観視することで、外から来た新参者としての視点によって、プロジェクトが抱える根本的な問題点が見えてきます。

正確には「見えてきたつもりになれます。」

しかし何度も書きますが、通りすがりで数ヶ月もすれば、行方不明になってしまうようなごみためまんが、

こんなプロジェクトなんか・・・

こんなプロジェクトなんか・・・

握ってやる!!!(byスシ王子)

などと叫んでみても、ただの独り言で終わります。元請社員からはにらまれ、よその請負からは「新参者が勝手なこと1テラ(言ってら~)」

よしんば、元請会社の社員が、みづからのサラリーマンという立場を忘れて、抜本的改革に目覚めたとしても、どうにもならないでしょう。

5,6人で開発するおもちゃ規模ならいざしらず、大勢でたくさんの請負会社が入り乱れている状況では、ペレストロイカもゆっくりですよね!

そういう状況の中で仕事をしている人が、SEやプログラマに限らず保守王国ニッポンにおいては、多数派だと思うのですが年金問題には手厳しい意見が多いですよね。

年金制度の制度疲労を指摘して直せというのなら、自分の仕事も抜本改革して、ニポンの国際競争力の向上に寄与してもようさそうなものですが。