ITイヒもスループット(=生産性)とあまり関係がない

つづきです。

 

ハンコの数はスループット(=生産性)とあまり関係ない

 

   

パイプラインあるいはベルトコンベヤ方式を理解している人なら、分かりきっていることだと思いますが、組織のスループット(=生産性)にハンコの数は関係ありません。

 

この話には続きがあります。

 

組織内郵便やハンコを押す作業を置き換えるだけのIT化は、スループット向上にあまり貢献しません。

 

すでに書いたようなリスクを低減する程度の効果しかないということです。

 

   

さて、現実にはハンコの数が多いと、本来発揮できるはずのスループットが発揮されない潜在リスクは多数あります。(パイプラインのストール要因)

 

紙に印刷するのにかかる時間とか、ハンコを押すのにかかる時間は微々たる物です。

 

例えば紙ベースで長大なパイプラインが構成されている組織においては、権限の委譲による分散化や「ハンコ押し集中タイム(=会議を開かない時間帯を決めてスループットを底上げする)」などの取り組みによってリスクはかなり低減されているのです。

 

IT化による副作用、例えば紙のようにメモが書きにくいとか、処理されないまま放置されているのが検出しにくい、はたまたA1サイズの添付図面を眺めるのに時間がかかるなどによってスループットを低下させる要因が増えることさえあるのです。

 

 

 

IT化によってハンコの代わりにPCで承認プロセスを肩代わりするといっても、必要な承認の数つまりハンコの数が変わらなければ、依然としてリスクは潜在したままです。

 

エロイ人たちがハンコを押す代わりにクリックする数が1日あたりで同じなら全体のスループットは変わりません。