日本で小売が値上げできない理由

小売店が過剰に存在しているだけのことのような気がします。

過疎の町の商店街では、都会や郊外とは違う値札のはずです。

お米の国では、よほどの都会暮らしでない限り、買い物は車で行くようです。
日本でも田舎なら車です。
なので、都会の人が「特売品のために、遠くのスーパーまで買い出しに行く」という話は田舎では通用しません。
ガソリン代がかかるからです。

都会の人がスーパーの特売のために電車に乗って遠くの店まで買い物に行かないことを考えればわかることです。

お米の国と違って国土が狭い国でも、小売が価格転嫁できるのは、競争が相対的にないからですよね。
普通、小売店が狭い地域に過剰に存在すれば淘汰されます。
事実、お米の国では大店舗ウォルマートが個人商店を大量廃業に追い込みました。

今は尼損などのECサイトと大店舗の最終戦争中ですよね。

日本でもいわゆるスーパーマーケットが広がる前までは、安売りするのは寅さんのような怪しげな業者とみなされましたよね。
バッタ屋とか。
安売りしなくても近所のお店でみんな同じ値札なら、客は買ってくれます。
安売りするのは八百屋さんの傷みかけの野菜くらいのもので。

というわけで、安売りしないと売れないという圧力は小売店が余っていることをしめしているきがします。
また、ECサイトと見えない競争をしていることにも注意が必要です。
宅配業者がコストを転嫁すれば小売店は楽になるかもしれませんが、楽になったらなったで競争相手が増えてしまいます。
どこまで行っても、小売が過剰なだけのように見えます。

単なる印象ですが、日本は国土全体がアリババのサイトのような状況に見えます。
特産品の老舗っぽい店でも、元祖と本家があったりして。
もしかしたら他の国もそうなのかもしれません。
同じような品揃えの、似たような名前のお店が大量にあって、最安値の値札の店はいつも在庫切れで、結局それなりの価格の店で買うことになる、みたいな?
どの店も仕入れ先はほとんど同じ業者経由なので、売値に変化がないです。

そこで考えるのが、なんでそんなに出店が簡単なのか、ということです。
出店ノウハウを教えて、仕入れ業者にツナグ、というビジネスが広まりすぎている気がします。

この仕入れ業者とコンサル風の起業ノウハウが、目に見えないナカヌキ層として、びっしりこびりついて小売店の過剰供給圧力になっていないでしょうか?

ナカヌキ業者が、小売を鵜飼のように操っている絵が網膜に浮かびます。