老年の主張:東証の流動性のことをメディアで言うたらあかんの?

一時はニチギンETF買いが進み過ぎて、

(間接的に)日銀が日本の主要企業すべての大株主になってしまった

という話をよく耳にしました。

現時点で時価70兆円のETFをニチギンが保有しており、プライム市場の時価総額1000兆円を考えると、最大で7%ずつの株を保有していることになります。

確かにニチギンが主要企業すべての大株主(5%越え)となっているようにみえます。

つまり状況は変わっていない。しかも売る機会も失ったかもしれません。

東証は、アマアマの流動性基準を掲げていますが、「絶対売らない大株主」の持ち分が7%もあったら、アマアマにせざるを得ないでしょう。

同じショック相場でも相対的に流動性が高い市場(NYSE)と低い市場(東証)があるとして、後者で値動きが大きくなるのは自然なことです。値段が飛ぶのは注文総額が大きいか取引相手がいないかのどちらかだからです。

東証が20%も下げて海外が数%しか下げなかった原因の一つは流動性の欠如です。

仮に流動性があれば下げも小さかったはずです。下げが小さければマージンコールの連鎖も避けられたかもしれません。

そもそも適切な流動性があれば、ショック相場自体が発生しなかった可能性すらあります。

無理なレバレッジをかけて足をすくわれる人に全て自己責任として押し付けるのはいと哀れな感じがします。

本来は市場が果たすべき責任(流動性の確保と、透明性)を放棄したままで参加者がふりまわされているのだとしたら。