製造ラインを設計する

ほぼ間違いなくソフトウェアファクトリについて間違って理解しているのだろうと思います。

ど〜でも・い〜ですよ〜。

妄想を発展させます。

MSがソフトウェアファクトリを提供するのだとしたら,それを買って使う人は一体何をするのでしょうか。おそらくライン設計でしょう。

製造ラインとは,ようするにベルトコンベアシステムです。流れ作業つまり工程分割による生産システムの確立はフォード発祥だとか言われることがありますが,江戸時代にはとっくに職人ネットワークにて確立されていたような気もします。んなことはどうでもいいですな。

製造ラインあるいは生産ラインは,製品を完成させる多数の工程のうちの全部または一部を担います。まずその分割が重要だったりしますが,ソフトウェアファクトリも同じでしょうな。とにかくソフトウェア製品のどの部分を作るのか。そして,担当工程をどれだけうまく作るかさらに言えば,どれだけうまく運転・運用・保守できるかによって,このラインが生み出す価値が増減するわけです。投下する資産と得られる利得。良いラインや,科学的に最適で完璧なライン,というのは存在しません。それは涅槃です。せいぜい「より良いライン」だけです。言い換えれば「より儲けが出るライン」です。

結局,従来のプログラミングツールや環境はせいぜい電動工具であったのを,製造ラインへ格上げするのがソフトウェアファクトリである,ということでどうでしょうか。

素晴らしい道具を素晴らしい人間に使わせたとしても,少数精鋭では所詮大規模システムを組上げることは出来ません。しかし製造ラインならば,少数精鋭のチームが設計したライン上で一般労働者が働くことによって,高品質の生産を継続的に安定してかつ大規模におこなうことが可能であると言えます。

その代わりに,抽象的に定義され慎重に造られた高品質の部品群を必要とします。おそらく,それはマイ規格化に始まりいずれそれなりのインパクトを持つうねりを生じることでしょう。

まずはラインを設計してみることです。そうすれば足りない設備部品が見えてきます。そういうとき,普通のライン設計者はいろんな専門業者や果ては大学のセンセイにまで相談に行くものです。あるいは書籍を読んで無い知恵を搾り出すのです。

そこまで考えると,ソフトウェア製造ラインを構成して利益を生み出すマシーンとして運用するために,従来は何が足りなかったのかについて思いが及びます。MSはいったい何を提供してくれるのでしょうか。

大規模開発とは無縁のごみためまん的には,そんなことはどうでもええんですが。

製造業を甘く見ている技術者,製造業に勤務していてもアマちゃん多い,がよく投げつけられるであろう説教を書いておきます。

1個作るのと,2個作るのは全然違う。
10個作るのはもっと違う。
1個作るのに成功したからといって,喜ぶのは早すぎる。