何を教えてないかが分からない

巷でよくみかける、

何が分からないかがわからない問題

というものがあるます。

で、いろいろもったいぶったノウハウ本とかいろいろあるわけです。

「究極的にはそれは動機付け手法の如何である」などというものまであります。

相手がやる気のないお子様ならそれも一理あるかなと思いますが、ダイの大人相手のいわゆる引き継ぎ業務や、新人訓練においては、そんな甘えたことは言ってられません。

組織で動く強みは、新兵投入から実戦配備までの時間の短さです。それを兵隊の素養に期待するなどというのは甚だ滑稽です。

さて、どんなにうまく訓練しても新兵の頭の中はマダラ模様です。

  • 元から知っていたこと
  • 教わったこと
  • 教わったけど忘れてしまったこと(うろ覚え状態)

この3つが渾然一体となります。特に元から知っていたことの派生または変形パターンを教わると混乱に拍車がかかります。これは例えば野球の経験のある人がテニスを習い始めのことを思い浮かべてみるとよいです。

足腰はしっかりしている。体を動かすセンスもある、しかし、バットのようにラケットを振ると、テニスボールはいつもホームランです。

ホワイトカラーでもブルーカラーでも同じです。

マダラ状態なので、日常業務をこなしているように見えて、トンチンカンなことを時々やります。

えっ!?それ知らないの!?

いいえ。教えてません。あなたが部下に命じて「しっかりおしえておけ」と言ったって、言われた方も、うろ覚えで普段仕事しているんです。不幸なことです。

思い出してほしいのですが、実戦配備されている兵隊がみな、完璧ではないということなんです。多かれ少なかれマダラ頭で仕事をこなしています。

また、それを監督する立場の自分でさえ、ハタから見ればマダラ頭で仕事をしているわけです。神様じゃないんですから。

ようするに、しばらく一緒に仕事をしていたら「似たようなマダラ模様」に近づくだけのことです。マダラが小さくなるわけでもないのです。「俺の知らないことはお前も知らない、俺の知ってることはお前も知っておけ」というジャイアン風の知識支配をしてしまったらおしまいです。

新兵はとんでもなく違うマダラなので、目立ちます。それを”矯正”することにばかり目を奪われていませんか?急がば回れです。

自分のマダラ模様を見直すせっかくのチャンスを無駄にする人の多いこと多いこと。