耐性菌が生まれる

菌を殺す抗生物質がより強い菌を生み出します。

ハードルが高ければ高いほど、それを越える存在が選択されるのです。

つまり、実装されてから長年保守を受け続けたシステムは、ソフトだけに限定されずハードウェアも含めて、厄介な耐性菌を抱えているということです。

耐性菌は普段はじっとしていますが、風邪を引いたり、何かの手術を受けたりして、抵抗力が落ちたときに、活発な活動をはじめます。

大昔に作りこまれて、長年ハッケンされずに残っているバグも同じです。

そんなに長い間、実害がなかったのだから、きっと大したバグではないんだよ。いったい何をそんなに恐れるんだい?

そうではないのです。バグそのものはハッケンされていなくとも、その副作用の副作用のような何かは発見され、その場しのぎの対処が繰り返されてきているのです。つまりバータリーです。

その対処の積み重ねは、困ったことに、大元のバグの存在に依存するものなのです。

つまりですね。大きなビルの基礎部分に、爪楊枝で作ったつっかえ棒があるような状態になってしまっているということなんです。

爪楊枝の向こう側では、しっかりと解析され、レビューされた対処実装がなされています。チタン製です。ただし臭いものにはフタという前提で。

そんな爪楊枝を何年も経ってから取り除くことができるか、ということです。いまや元のバグはシステムの一部と化しています。

製品サイクルを考えれば、あと2,3年耐えればよいのだから、もう放置プレイでいいじゃないか。

21世紀的には、まったくゼロからフルスクラッチすることなんて皆無ですから、このセリフも虚しく私の心に響きます。

実際の耐性菌と同じく、根治しないことが悪いのだと決め付けてはいけません。バータリーが問題なのです。バータリーで根治してもだめだということです。

そして一度生まれた耐性菌は、これからも受け継がれ続けるのです。