高齢者の胆石治療を積極的に行わない理由

なんなんですかね?

そんなことを考えさせられる文書を見かけました。

高齢者胆石症の特徴と治療について

昭和52年には・・・80歳以上では22.2%で剖検例の約4人に1人が胆石を保有していると指摘している。・・・

え?まじで?

さらにC)高齢者胆石症の合併疾患についてはこんな記述があります。

心臓血管系では心電図上異常所見を示すものが約70%あり、脚ブロックや心房細動など高度な異常所見を示すものが約25%に見られている。腎機能に異常のあるもの26%,、呼吸機能に異常を示すもの31%、・・・

D)高齢者胆石症における臨床症状では、以下のような記述があります。

・・・教室症例では無症状のものは8.9%にすぎないが、胆石とあまり関係のない不定愁訴を加えると17.4%とかなり高い比率が得られる。・・・

合併症については、「もともと別の病気にかかっていた」という面と「胆石のせいで悪化したかも」という面の両方があることをを説明しています。

はっきりとは書いていないし、決めつけることもできないとは思うのですが、なんとなく「高齢者の体調わるいことや、体調がわるいと本人が言うこと」の原因のうち大きな部分を胆石が直接間接に占めているかもしれないという印象を持ちました。

最後に、高齢者胆石症の症状をまとめた表を引用します。

私が特に気になったのは、不定愁訴です。

みなさんのオカンやオトンが後期高齢者なら、

なんかしらんけどだるい

食欲無いわ、クチがニガイ

みぞおちがむかむかする

背中が痛い(腰じゃなくて)

というようなことを毎日のように言っていないでしょうか?

運動不足(ロコモ、フレール)とか、逆流性食道炎(の疑い)とか、脊柱管狭窄症(の初期症状かも)とか、いかにもそれらしい、しかも断定も否定もできない町医者の曖昧な話で、病院をたらいまわしにされるか、ドクターショッピングに陥っていないでしょうか?

この文書の98年当時とちがって今はMRIや超音波などもかなり普及しており、当時と比較して簡単に診断できるような気がします。

にもかかわらず、高齢者の胆石にスポットライトを当てないことに、ちょっと違和感を感じました。

もしかして無症状の胆石除去はリスクが高いとか言って、数々の不定愁訴や合併症を無視して高齢者を食い物にしようという魂胆があったりします?