老年の主張:”IT介護”ではなく事務的介護

私は何度も目撃しました。「ベテランサラリーマン」が事務の若い社員に手取り足取り、PCの前で言われるがまま事務申請、社会保険の手続きをおこなって、印鑑まで預けている様子を。

私にはその光景が、まるで高齢者介護施設で介護されるご年配と介護職員に見えました。

上記は2019年3月頭のエンツリですが、同じ月、トゥイッターで「IT介護」なるワーヅが話題になっていたそうです。

職場を悩ます「#IT介護」 「若手VS年配」の軋轢なくすコツは?: J-CAST ニュース

まだ市民権を得てはいなさそうですが、今後は普通に使われるようになっていきそうです。

ただ、ごみためで上記エンツリで指摘したのは「社会的介護」です。

事務処理能力が不足しているリーマンが、ジム・ソーム系リーマンの生産性の足を引っ張っているという現実です。

これは役所の窓口の申請書類の書式が悪いとか、書き方の例が不適切とかいうレベルの話ではないのです。

どれだけフォームを工夫しても、そもそも自分が何のために、何について申請するのか理解できないリーマンが溢れている気がします。(実は会社内だけではなく、役所の有人窓口に群がる人々も同じ)

問題はそういった人々を「AI活用」で掬い上げられるのかどうかです。業務として何をすべきか、まで周囲に聞いて回るようなリーマンに、どれだけ便利な道具を与えても無駄ではないかという観点です。

よく見かける、ゼロに何を掛けてもゼロ、というあきらめの呪文が聞こえてきそうです。

それで思い出したのは、ハラリの定義による「無用者層」です。

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ごみためはいま、相対的に事務処理能力の低いリーマンに後ろ指を指して、けなしていますが、ごみため自身も今後は相対的に無用な技術者に成り下がることはあきらかです。

体力的には数十年前からオサーンですし、苦労して身に着けた「プロジェクト考古学的知見」「こういうときはこう書いておく」ノウハウなどはCopilotに華麗に置き換えられつつあります。

「IT介護」とうそぶいているみなさんも、あっという間に自分がその立場になる、と覚悟する時期に来ているような気がします。

あとはタイムスケールだけですね。数年か十数年か数十年かで、とらえ方は違ってきます。